介護業界の中で転職する際には、コツがあります。それは「取れる資格は取ってから」ということです。
たとえば、介護施設で数年間働いた後で、職場を変わりたくなって他の施設に転職するとしましょう。円満退職できればいいですが、辞めるときにゴタゴタともめてしまうことも少なくありません。施設から頼まれても、それを振り切って辞めてくるような場合です。転職すれば新しい環境だからそれまでの職場とは縁が切れると思っていても、思わぬ事態に直面することもないとは言えません。新しい施設で働き始めてから、介護福祉士などの資格を取りたくなったときに、困ったことが起こるのです。
介護福祉士の資格は、実務経験が3年以上あり、実務者研修を終了すれば国家試験の受験資格が得られます。以前の職場での実務経験と現在の職場での実務経験を足して3年以上あればいいのです。また、ケアマネジャー試験の受験資格を得るには、5年以上の実務経験が必要になります。
しかし、それには「実務経験証明書」の発行を、以前の勤務先に依頼しなくてはいけません。円満退職でなければ、以前の施設に電話をするのは苦痛になるかもしれません。
なので、資格取得を目指しているなら、できれば慣れた職場にいるうちに資格を取っておきましょう。証明書の発行の問題以外にも、新しい職場に移ると慣れるまでに時間が必要になり、資格試験の準備に力を注ぎにくくなることもあるかもしれません。少なくとも転職する前には、今後取るかもしれない資格について調べて、必要な条件を理解したうえで転職する時期を考えた方がいいでしょう。
転職は個人の自由ですが、長期的なライフプランの中で上手にキャリアを積んでいくようにしましょう。